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2012年10月12日 (金)

犬を保護する 26日目 飼い主の顔

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犬。

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犬を自転車かごに乗せて、公園まで散歩に行く途中、長い信号待ちをしていたら、

それほど気さくな感じもしないおばさんが、犬と目が合ったのか、しばらく犬から目を離さない。

次第に頬がゆるんできて、目もとがやわらかくなる。

おばさんがほほえんでいる。

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こういうとき、私はどうしたらいいんだろう。

信号待ちでいきなり

「この犬、飼ってもらえませんか?」というのはあまりに突然だし、

「この犬、かわいいですよね」とか話しかけるのも、ちょっと気持ちわるい。

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公園につき、歩き始め、さっそく、うんこ。

「よしよし。ナイスウンコ。」と、あたまを撫でてやったりしていたら、

女子中学生の集団がやってきて、

「あ~、かわいい!」

「目が超かわいい~」

とか騒ぐ。

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以前だったら、女子中学生相手に、

「ねえねえ、この犬、誰か飼える人いない?」

とか思い切って言えたはずなんだけど、

女子中学生の熱っぽく冷めやすい衝動に、この犬を任せるわけにはいかない、と

フレンドリーなお兄さん?になるのをやめて、ちょっと微笑むだけにとどめる。

あくまで、うんこの後始末に没頭してるふりをした。

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人気があって、何よりである。

が。「かわいいワンちゃんですね」という、相手の素直な視線に

「ありがとうございます。」という飼い主の顔みたいなものが、うまくできない。

私が褒められてるわけでもないし、

私のしつけが褒められているわけでもない、

自分で飼っている犬だ、という自負もまだない。

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「陰気な男に連れまわされる、かわいそうな、かわいいワンちゃん」みたいに見られるのもいやだな、と

私としても、一生懸命、ほほ笑みを返すのだが、

今の自分が、ものすごくヘンな顔になっているだろうな、と今日は二度おもった。

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秋の日であり、

なんか、去年の今頃のことを思い出した。

同じように、この土の上を、私はひとりでランニングしていたはずだが、

いまは、こうして犬といっしょに歩いているのである。

なんだこりゃ。ありえない。このおれが犬の散歩をしてるなんて。

そう思った。

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少しずつ、同じことがズレて、同じようでいて、随分ちがうものになっている、そんな気がする。

全体的には、良くなっている。

私はそうおもう。

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ラブソングでもいいし、人生の応援歌でもいい。

いいうたができるといいなあ。

なまえはまだない。

(NB)

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