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2015年2月25日 (水)

マッサンのはじめてつくったウイスキーを飲む

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アードベッグ 10年。ううむ。

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マッサンが

サントリー山崎工場ではじめて国産ウイスキーを完成させたとき、

濱田マリをはじめとする大阪のなかまたちが、一口飲んで、

「煙くさっ、」「こ、これは、ちょっと…」と、

初めて飲んだウイスキーの味に当惑しているシーンがあって、

あのシーンが忘れられない。

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マッサンのはじめてつくったウイスキーは、

マッサンの理想とする「ハイランドケルト」のスモーキーフレーバーに近づけた、ということだったが、

そのモデルとうわさされている「ハイランドパーク 12年」を飲んでも、

実は、私は、

「煙くさっ!」「こ、これは、ちょっと…」というリアクションまではいかないなあ、と漠然とおもっていて、

あれはドラマ的に、ちょっとおおげさなリアクションだったのだろうな、くらいにおもっていた。

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そうではなかった。

「アードベック 10年」というスコッチウイスキーを買ってきました。

村上春樹の、スコットランド・アイルランドを旅して、ウイスキー蒸留所をまわる、という本があって、それを読んでいたら、

スコッチウイスキーの聖地がアイラ島というところであり、

アイラ島のウイスキーでいちばん「癖のある」のが、

「アードベッグ」である、とされていたので、

私にはそれがどうしても見過ごせない。

ウイスキー通になりたいわけじゃない、私には安い買い物じゃなかったけれど、思い切って買ってきました。

ほんものとはどういうものか。私はそれが知りたいのです。

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「アードベッグ 10年」。

飲んだ瞬間、笑ってしまいました。

まさに。

「け、けむりくさっ!」「こ、これは、」というリアクションでした。

これこそが、スモーキーフレーバーなのですね。

「白い灰、」というイメージが口の中から、ガンガンきます。

ほんものは、やっぱりすごかった。

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うまいか、どうか。より、

すごいか、すごくないか。って感じ。

だから、ウイスキーはブルースなんだよね、と改めておもう。

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こういう力強い(てか、強すぎる)「ほんもの」が、まず存在していて、

そこから、まろやかなバランスのとれたサントリー「山崎」へとつづく。

ブラインド・ウィリー・ジョンソンのブルースが、薄まって、洗練されて、

50年代マディ・ウォーターズのシカゴブルースになり、

60年代ジミヘンのロックになり、

ブルースは生き続ける。そんな感じ。

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ともあれ。

マッサンがはじめてつくったウイスキーが、

もし、こんな「アードベッグ」みたいな、

「煙くさっ!」「こ、これは…」という力強すぎるウイスキーだったのなら、

「理想もいいけど、そりゃあ、ムチャだよ。」と、

理想ばかり追う、この私だっておもう。

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サントリー「山崎」が、いかにすごいか。

あのまろやかさ。深み。複雑さ。

日本人がおいしいとおもえるウイスキーというものをつくる。

それは、ウイスキーをつくりながら、ウイスキーというものを、あたらしくしていくことだ。

マッサンやサントリーは、

すごいことをしたのだなあ、と感心しました。

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マッサンの「ハイランドケルト」のモデルとはなにか、

その答えは、「アードベッグ」である。と私はあえて言いたい。

「ハイランドパーク」の方が、名前も近いし、味のバランスもいいです。が、

「アードベッグ」の方が、

スモーキーフレーバーとはなにかが、ガツン!と一発でわかるし、

なぜ、サントリーの社長・堤真一が、マッサンにあそこまで、

「日本人の口に合うウイスキーをつくれ、」言ったのか

はっきりと理解できます。

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理想を追うマッサンの挑戦と葛藤が、よりいっそう理解でき、

『マッサン』が、またたのしくなりました。

すると。

私の理想は、ええっと、どういうことになるんだっけ?

私は、なにをすれば、いいんだろう?

ウイスキーばっか、飲んでんじゃねえぞ。

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(のぶ)

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