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2015年6月 8日 (月)

歯科医に通う

昨年の秋から、もうずっと、私は歯科医に通っていて、

ここ最近の治療は、ほんとうに痛かった。

マジ痛かった。

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院長先生の話によると、

治療してる歯の下、あごの神経に、治療中、たまに触れちゃうことがあって、

それが痛いのだという。

触れると、痛みが全身を貫いて、私の意志とは関係なく身体中がビクン!と反応する。

「男だから、」と、どんなにがまんしてもムダだ。

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背が高くちょっときれいな歯科衛生士の女性は、私のあごの神経に触れたあと、

「ごめんなさい、私は歯の神経を抜いたことがないから、神経に触れた痛みって、どういう痛みか全然わからないの」と言って笑う。きれいなひとだ。

「いや~、めちゃくちゃ痛いっすよ」

笑うしかない。私も笑う。

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治療中、いつ、その神経に触れるかわからないから、

身体をかちかちに固まらせて、目隠しされて、おびえている。

冷や汗というものが、ほんとうにある。

先生の持つ金属製の鋭利な「なにか」が、

私の敏感な「あそこ」の付近でなにかをしている。じわじわと近づいてくる。

「うわっ、きた?きた?きた?」

私は極度に緊張している。

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その状態で、若きイケメン歯科医師くんの不手際により、

1時間ちかく、診療台の上で放置された。

目隠しされたまま、大きく口を開けて、あの最強の痛みがいつ来るのか、怯えて待ち続けた。

私はまさに「精根尽き果てて」しまって、

うちへ帰るなり倒れた。

原因不明の高熱を出して、丸二日寝込んだ。

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しかし。誰を責めるでもない、

すべては私の過去(主に20代)の罪深き生活習慣のせいだ。

歯科医通いは、もはや(たぶん)信仰にちかい。

ぜんぶ、私のせいだ。ぜんぶ私が悪いんだ。

改めます。間食後の歯磨きも必ずします。改めます。

診療台の上で、何度ざんげしたか知れない。

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つらい時期は過ぎた。

今回の治療ではようやく

診療台の上で、大きく口を開け、目隠しをされながら、

新曲の歌詞を考えるまでに余裕になった。

エディがスタジオを出て行って、

のぶが髪を伸ばし始めて、

どうなるんだっけ?

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院長先生が、昨年11月に撮ったレントゲン写真と、先週撮った写真とを見比べて、

昨年治療した私の歯のまわりの骨が、ほら、しっかりしてきている、ということを教えてくれた。

「つまり、良くなっているということですか?」と私は念を押して訊いたが、

威厳ある院長先生は、なんと答えたか、

聞きそびれてしまった。

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歯科医の帰り道、夕暮れ、自転車で近所の田んぼを通ったら、

昨年のちょうどこんな時期、のらちゃんと散歩の帰りに、

この田んぼの水面に映る夕日を眺めていた

のらちゃんは、この自転車のかごにちょこんと座っていて、

私がなぜこんな田んぼの真ん中に立ち止まって、じっとしているのか、

わけのわからない顔をして、私をみている。

それで私は号泣した。めちゃくちゃ泣いた。

で、高熱が出たのかもしれなかった。

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(のぶ)

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