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2015年7月 4日 (土)

のらちゃんの奇跡に出逢う

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のらちゃんがいなくなって、ちょうど三ヶ月たった日、

のらちゃんとよく歩いた林のなかをひとり、ジョギングしていたら、

い、ぬ?

林の中に、犬が一匹いる。

自由に走り回ってる。

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「え? え?」

どきどきする。

私は、なにかに試されているのか?

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飼い主が追いかけてくるだろう

と、しばらく待っていたが、来ない。

一応、首輪はしてるが、たぶん捨てられた。

茶色いトイプードルのオスで、まだ小さい。子供だとおもう。

おびえた感じで、私のほうをちらちら見る。

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「きみは、のらちゃん、なのか?」

映画じゃあるまいし。ばかみたいだけど。

林には誰もいないから、ほんとうに口に出して、そう言ってみる。ばかみたいだけど。

子犬 「ううん、ちがうよ。ぼくは、のらちゃんじゃないよ」

というのは、もちろん私の声である。ばかみたいだけど

私は、直感として、そうおもう。

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林といっても、ちょっと行くと車道がある、

「そっちはあぶないから、こっちおいで、」と誘導してあげる。

まだ、どきどきしている。

私は、なにかに試されているのだ、とおもう。

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車道から離れたところまで誘導してきたが、

子犬は、ちらちら私をうかがいながら、私におびえているのは変わらず、

ついには、私から離れていった。逃げていった。

私は追うべきか。すこし迷ったが、やめた。

この林にいれば、きっとすぐ、犬の散歩している誰かに助けてもらえるだろう。

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のらちゃんに会いたいよ~

奇跡が起きないか、そうおもってる。

浴室の曇りガラスの向こうに一瞬、白い影がみえたのは、

洗濯機の上に置いといたバスタオルが落ちたのだった。

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深夜、

廊下の暗がりに、のらちゃんがあらわれたら

私は恐いわけない。

奇跡が起きたと、戦慄して、喜ぶだろう。

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そういう奇跡は起きない。そうおもう。

もし、のらちゃんの奇跡が起きるとしたら、

白が茶色になり、

マルチーズがトイプードルになり、と

のらちゃんとは、少しずつ、ズレたかたちであらわれてくる

そんな気がしてきた。

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「茶色いトイプードル」と「林の中で出逢う」は、わかりやすいほうで、

今後、のらちゃんの奇跡は、もっとわかりにくいこととして起きるかもしれない。

どんどんズレていって、

もはや、関係ないことになってるかもしれない。

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「関係ないんじゃ、ダメじゃん。のらちゃんとは関係ないんだから」

そうは思わない。

奇跡は、「関係」なんか飛び越えるんじゃないかなあ、とおもってる。

よくわかんないけど。

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(のぶ)

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