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2015年10月23日 (金)

黒沢清監督『岸辺の旅』を観る

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映画館で

黒沢清監督の最新作『岸辺の旅』を観てきました。

なんか、すばらしかったです。

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3年前に失踪し、死んだ浅野忠信が、

妻の深津絵里のもとへ帰ってくる、という話なんですが、

深津絵里が視線をふっと向けると、

死んだはずの浅野忠信は、ごく自然に、そこにいる。

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死んだのらちゃんは、こうして、私の前にとつぜんあらわれる

そうおもって、涙がぽたぽた出てきた。

死んだはずののらちゃんが、ごく自然に、そこにいる。

あぁ、なんてすばらしいんだろう。とおもう。

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浅野忠信は、とつぜん、いなくなる。

「はっ? いない!」

その喪失感・絶望感といったら、ものすごい。

深津絵里は、「消えないで、」と強く願う。

消えてしまうことに、ずっと緊張して、おびえている。

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深津絵里のきもちがとてもわかる。

そりゃ、つらいよ。私は涙がだあだあ流れる。

でもまた、浅野忠信は、ごく自然に、そこにいる。

「あぁ。いる。」

それがどんなにうれしいことか。

あぁ、よかったなあ、と、私はぼろぼろ涙を流す。

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なんといっても、

浅野忠信のあらわれかた、がいい。

「すっ」と、あらわれる。

視線を向けると、そこにいる、のだ。

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映画が終わり、映画館の階段を上がり、

靖国通りの歩道で、私が視線をふっと向けると

のらちゃんがそこにいる。

いないけど。私の視線の動きに、可能性をかんじる。

涙があふれてとまらない。

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私が、視線をふっと向ける。そうすることで、のらちゃんがそこにいる。(いない)

また、別のほうにふっと視線を向ける。のらちゃんはそこにいる。(いない)

こりゃ、だめだ。まともに街を歩けない。

映画館の向かい側に花園神社があったので、

境内にはいっていって、突っ立ったまま、いっぱい泣いた。

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私のいま見えている視界の死角(いま見えていないもの)、

視界の外側、すぐそばにあるもの、が気になる。可能性をかんじている。

私がふっと視線を向けると、

そこにのらちゃんがちょこんとすわっていて、こっちをみている。

あぁ、のらちゃんは、なんてかわいいんだろう。

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(のぶ)

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