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2016年4月 5日 (火)

サッサン、関西へ行く 神戸 中華料理屋からディアンジェロが流れる

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私たちは地下鉄をのりつぎ、海のほうへゆく。

神戸港に面したメリケンパークで、ポートタワーが赤くひかるのをみつめる。

「ポートタワー、好きやねん、」と彼女は言う。

「うん。たしかにこれは、なんか、いいな、」と私は言う。

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暮れゆく海を、ぼんやりながめる。

彼女は黙ったまま、ただ、海をみつめる。

私は彼女の後ろ姿をみつめる。

何か話さなくっちゃな、と、きょうはじめておもった。

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結婚式披露宴がちょうど終わったところみたいだ。

新郎新婦がたったふたりだけで会場外に出てきて、

出口で、出席者に渡すプレゼントの準備をしている。ふたりだけで。

ドレスとタキシード。会場の外に出た新郎新婦の格好は、ばかみたいで、しあわせそのもの。

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南京町の豚まん、1個だけ買って、

彼女が半分に割って、私たちはその場で食べる。

「マスタード、もうちょっといる?」と私は訊き、

「もういい、」と彼女は言う。

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屋台風の中華料理屋で晩ごはん。

横並びに座る私たちのすぐそばで、中国系の料理人がかまどでせわしく調理している。

水餃子や焼き餃子、青菜炒めや焼きそばを並べ、ビールを飲む。

「焼きそば、ちょっとしょっぱいね、」と私たちはひそひそ言い、ぜんぶ食べる。

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アグネスチャンの日本語のうたが、音楽として、なぜ良いのか

発音が自然じゃないことの魅力、正しくない日本語の魅力について、私は熱っぽく話す。

そういえば、周りは中国系のひとばっかりじゃん、と話途中で気づき、ちょっとひやひやする。

彼女は話を聞くとき、私の目をしっかりと見つめて、ほほえんでいる。

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きょう、私たちはどれだけ歩いたのだろう。

ケータイの万歩計をみると、20000歩越えてる。

15キロは歩いたことになっている。

「ええな。ケータイに万歩計ついてるんや、」と彼女は言う。

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私たちには、結局、目的地はとくになかったから、

歩くこと、移動すること、が目的だったのかもしれない。

坂の道、ロープウェイ、エレベーター、登山道、地下鉄、エスカレーター、デパ地下、地下鉄、中華街、港、

移動に次ぐ移動。今日一日、まるごと、たのしかったな。

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神戸の山の上のほう、高級住宅街を歩く。

「こんなところに住んでるなんて、まともなひとやないよね、」と言う

神戸育ちの彼女に、本場のやくざの話をしてもらいながら、

坂の道を歩く、たのしさ。

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店内のスピーカーから、とつぜん、

ディアンジェロの曲がながれる。ありえない。

「あ!これだよ、ディアンジェロ。

東京は完売で、大阪に観に行っちゃおうか、とおもったのが、今回のきっかけだったんだっけ、」と私は言う。

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なにがきっかけだったかなんて、もうどこかにいってしまった。

ディアンジェロ、ふつう、中華料理屋で聴こえてこないよね。

もう、み~んな、ゆめみたいだ。

大丈夫、サッサン。ぜんぶ、現実だよ。

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(のぶ)

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