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2016年9月 8日 (木)

サッサン、教会で、競艇好きのおやじさんにやさしくされる

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キリシタン墓地のしたの砂浜。

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「にいさん、わざわざ、歩いてきたんか!!

それはまあ、ご苦労やったな。こっちきて、休み、」

教会の管理小屋にいるおやじさんが、

私をいたわってくれる。

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全身ずぶぬれ、へとへとで教会にたどりついた。

しばらくすわって、ぼーっとしている。

教会のなかは、とくに、なんにもない。

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ヒマだから、机の棚にあった聖書を手に取る。

こういうときこそ、パッと開いたページに

なにか歌詞になりそうな、きっかけが光っているんじゃないか

炎のバイブル!あふれ出す、ひらめきの嵐!

奇跡を期待してみたが、

聖書には、とくに、なにもなかった。

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教会を出て、雨のなか、キリシタンの墓地をあるく。

墓地のしたには、砂浜がひろがっていて、

波打ち際を歩きながら、海水に手をさらす。

「のらちゃん、東シナ海だよ、」

いつものとおり、海でのらちゃんをおもう、ルーティーン。

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「管理小屋、つかっていいから、

濡れた服脱いで、そこの雑巾で身体拭いて、休んでな、

おやじさんは、関西の男ことばで私に言う。

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私がサイタマからやってきたという話から、

「戸田競艇がなつかしい。」と

おやじさんは昭和に、全国の競艇場を「旅打ち」してた話をする。

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旅打ち、か。

私はギャンブルは一切やらないが、

「旅打ち」ということばと、風情は、妙にそそるものがある。


流れ 流れて  舟追い旅路

勝って 負けての  浮き草慕情

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競艇の世界がいかにおもしろいか

おやじさんにレクチャーされているうちに、

私たちはなんだか仲良くなって、

「もう、仕事はいいや、おれのクルマに乗って、帰ろうか」

ということになり、(いいのか?)

港まで、おやじさんのクルマに乗せてもらうことになった。

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クルマの中では、

子供のいないおやじさんと奥さんが、うちで

いかに犬と猫をかわいがっているか、そして

猫の高額な手術代に、競艇で、大奇跡がいかに起こったか、

アンビリバボーな話で盛り上がる。

で、私の関心事、

家族として愛した犬や猫の遺骨をどうするか、というもんだいについて話し合う。

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「みんな、うちにおるよ。どこへもやれん。

大阪にいた子たちも、みんなこっちへ連れてきたしな、」と

おやじさんは逝ってしまった猫たちの遺骨のことを話す。

「ああ、やっぱり、そういうもんですか、」

ずっと私にあった、もやもやが、すっかり晴れた気がして、うれしい。

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宿の前まで送ってもらい、

「ありがとうございました」と礼を言って、握手をして別れた。

宿のおかみさんが用意しておいてくれた熱い風呂に入って、

しばらく部屋でぼんやりしている。

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テレビの下に、過去の宿泊者(島に長期滞在の土木関係者か)が置いていった

何冊もの古いエロ本があって、

そこには、なにか、歌詞のきっかけがないか、

奇跡を期待して、ページをひらく。(ウソ)

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午後6時すぎ

てかおれ、さっきから、なに、ずっとエロ本みてんだよ。

(古いエロ本はおもしろい。)

あ、そうだ!、とおもって、外に出る。

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帰りがけ、「ここが、おれのうちや、」と

教えてもらったおやじさんのうちへ、

犬と猫に会いに、ふらっと遊びに行くことにした。

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車窓からの風景をおもいだし、ここ?だったっけ?、

えいっ!とインターホンを鳴らす。

「え?どなたですか?」

ドアを開けた奥さんが怪訝そうな目つきで私をみている。

「さっき、教会でお世話になったサイタマのものです。

わんちゃんに会いたくってきたんですけど…」

「はあ。ちょっと待っててくださいね、」

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部屋の奥で、

テレビでは阪神タイガースの野球中継がやっていて、

犬がわんわん吠えている。

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おやじさんが半裸の状態であらわれて、

「おお!せっかくきてもらったのに、ごめんな、

これからお風呂入るとこや、そのあとご飯もあるしなあ…」

と困った顔をして言う。

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半裸でおやじさんは、

「せめて、はなちゃんに会ってき、はなちゃーん!」と

犬のはなちゃんを呼んで、ごあいさつさせようとするも、

はなちゃんはなかなか玄関に来ようとしない。

猫たちは来客にはぜったい姿をみせないらしい。

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ばかな私も、さすがに空気を読めば、「招かざる客」。

「ふらっと遊びに来る」には、ちと遅かったか。

宿でエロ本ずっと読んでるから!

これ以上、この家の空気を乱してはいけない。

「なんか、すみません。ほんと、ありがとうございました」と私がいうと、

「また上五島にきたら、寄ってな、」とおやじさんは言ってくれる。

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なんか、ヘンな別れになっちゃったな。

「また上五島にきたら、寄ってな、」って。

すごい近所みたいに言ってくれるなあ。

いつのまにか暗くなった上五島の夜道をあるく。

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(のぶ)

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