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2016年9月 6日 (火)

サッサン、五島のマダムにやさしくされる

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刺し身盛り合わせ。下五島 福江

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五島では、ゼッタイ、ゼッタイ、うまい魚を食べたい。

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「だったらここがいいですよ、」と

宿の人から勧められた居酒屋に行くと、

店内に、いけすが、どーん!

観光客ウケしそうな、派手な感じに、ううむ、とおもっていたら、

「予約がないからダメ、」とあっさり入店を拒否された。びっくり。

天然パーマのもっさもさヘアーが、乞食にでも見えたのだろうか。

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五島のよるは早い。

まだ、よる8時前だというのに、商店街から外れると、もう、まっくら。

どうしよう。

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ぼんやりひかる「小料理屋」のあかり。

高級とか、おしゃれとか、そういうのでなく、

ふつうに、こぎれいな和風の木目調の店構え。店内は見えない。

シブい。いい感じだ。でも、入りにくい!

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なにもかもが、すっごい高かったら、どうしよう。

地元の「大人」のための店なんだろうな。天パのよそ者はキツイかな。

2分くらい店の前をうろうろしたあと、

えいっ!と覚悟を決め、のれんをくぐり、とびらをあける。

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カウンター越しにマスターがきびきびしている。

おかみさんはひかえめで、でも、やさしさがある。

黒板に書かれた、きょうのメニューが魅力的すぎる。値段も適当。

お通しが、美味しい。

これは大当たりの店だったな、とおもう。

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つぶ貝(みたいな貝)のしょうゆ煮みたいなものを、

となりのマダムがおいしそうに食べていたのが気になってて

貝好きの私も同じものを頼んだら、

「この貝は五島の名物なのよ、」みたいなことを言って、

マダムが爪楊枝を使って、貝の食べ方をおしえてくれる。

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そうこうしているうちに、マダムとだんだん親しくなっていって、

「あなた、私のお湯割り、飲みなさい、」と

自分のボトルキープしてる芋焼酎で、お湯割りをつくってくれる。

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「あなた、いい店をえらんだわね。

ここがこの辺じゃいちばん美味しい店なのよ、

しかもきょうは、たまたま空いてたし。

あたしなんか三日前に予約しといたんだから。

マスター、この方、飛び込みで入ったんだって。

あなた、ツイてるわ。」

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みたいなことを、五島のおんなことばで、マダムが私に言う。

五島のおんなことばは語尾がながく、ちょっと甘く、耳にここちよい。

そうか、おれはツイてるのか。

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グラスを空にしては、マダムに注がれるまま、

芋焼酎のお湯割りを飲んでるけど

これで何杯目だっけ? えらいごちそうになっちゃってる。

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マダムのとなりには連れのおっさんがいて、

ふたりはどういう仲なのか、いまいちわかりかねるが、

話をきいていると、旧知の間柄ではありそうだが、

とりあえず、夫婦じゃない

かといって、「友人」よりは、もっともっと親密である

たぶん「いい仲」なんだろうとおもうが、

つまり、どういう仲なんだろう

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とにかく。

私のとなりに座る五島マダムは

歳をとっていても、ネイルも品良くしっかり

おっさんと会うきょうの日のために、ちゃんとしてきたことがわかる

さっぱりとしたワンピースがおしゃれだ

品良く、きれいで、色気のある、いいおんなである。

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ふたりの話をきいていると、

マダムは芯のしっかりしたにんげん、話のおもしろい女性である一方、

連れのおっさんの話すことの内容、切り口が、どうもさっきからつまんないぞ。

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マダムは頭のいい、魅力的ないいおんななのに、

なんでこんな退屈な男と付き合ってるんだろう?

おっさんがつまんない話をすればするほど、私はなんかいらいらし、

なぜか、うれしくもなってくる。

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いまや、私も、

マダムとおっさん、それにカウンター越しのマスターとの会話の輪に加わるようになっていて、

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「にいさんは、五島に何しに来た?」という話になって、

「そもそも、熊本へボランティアしにきたんです。その途中に寄ったんです」と私が言うと、

「へぇ~~、それはえらい。ぜんぜん、そうは見えない!」と、

私の(まだ実際やってもいない)ボランティア話で、なんか盛り上がる。

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私はぜんぜんおもしろいにんげんではないが、

わるいけど、マダムの連れの退屈なおっさんよりは、もうちょっと気の利いたことを言えてる?からか、

会話で、そこそこマダムをたのしませている気がする。

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だんだん、おっさんが輪の中で「しょーもないキャラ」に固定されていって、

魅力的なマダムがどんどんおっさんをやりこめていく

私もチョーシ乗って、失礼ギリギリのラインで、おっさんに突っ込む。(実際は、失礼ラインを越えてるんだけど)

マダムがそれをけっこうたのしそうにしている。

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店を出ると、

私より先に出たマダムとおっさんが、

五島のまっくらな夜道を手をつないで歩いている。

マダムは、おっさんのことが好きなんだ

ああ、ふたりはそういう仲なんだ、とおもった。

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(のぶ)

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