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2016年10月

2016年10月26日 (水)

サッサン、増毛、シャケの遡上は、いのちがけ

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シャケの遡上。

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増毛の観光マップによると、

町外れの川に、

シャケが遡上しているのがみられるかも、とある。

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河川敷の土手をおりると、

カラスやかもめがいっぱいいる。こわい。

なんか、岸辺に、死の気配がただよっている。

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あ。水面にシャケの魚影がみえる。

よくみると、水中に、けっこういる。

もうからだは傷だらけで、白っぽくなり、

遡上をするちからは残っていないみたいだ。

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うまくいったあとなのか

うまくいってないままなのか

あたまは上流に向かい、流れに逆らって泳いでいる、

ということは、まだ旅の途中で、

本懐を成し遂げていないのかもしれない。

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力尽きて、岸辺で鳥たちの餌食となったシャケもいる

水中にいるシャケたちも、もうじき死ぬだろう

ぜんぶ、いのちがけ。

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この岸辺には死の気配がただよっているが

ビンビンかんじてくるのは、むしろ、

シャケたちが燃え尽きるまで生きたあかし

いのちがけのすがただ。

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2016年秋 北海道の旅 編 おわり。

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(のぶ)

2016年10月25日 (火)

サッサン、増毛、甘エビは初々しい彼女にとろける

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つぶ貝  甘エビ。ものすごくうまい。増毛駅内。

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きょうはいい日にしよう。

宿を早めに出た私は、港のほうに歩きながら、

あさ、増毛のまちのゴミ拾いをする。

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そのうち、港の鮮魚店が開店して、

獲れたての増毛産の魚介がならぶ

魚って!見てるだけでたのしい

それぞれ試食ができて、うまいうまいうまい!

チョーシのって、試食だけで、朝食食べたい

朝から、ちょうたのしい。

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増毛名物の甘エビを買おう。

エビにも何種類かあって、どれがいいんだろ?と迷っていると、

高校出たての初々しさの女の子店員がいる

お、けっこうかわいい。

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ベテラン女性店員がいない、わずかな隙を見計らって

「甘エビを買いたいんですけど、どれがいいですか?」

高校出たての女の子店員に尋ねる

「お刺し身としてたべるなら、こちらがいいとおもいます。」

と女の子店員は一生懸命に答える。

うん。なかなかかわいい。

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「これは、増毛産、って書いてないけど、

このへんの甘エビじゃないの?」と私が訊くと

「あっ、それは。増毛のすぐとなりの港のことです。」

と女の子は申し訳なさそうに答える。

うっ。ひじょうにかわいい。

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「そっか。じゃあ、増毛みたいなもんか。」と私が言う。

「はあ。」と女の子は困ったかんじではにかむ。

ヤベ。クソかわいい。

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かわいい子だな。

高校卒業して、ここに就職して

こんなかわいい子が

これからこのまちでどんな人生を歩むんだろう

と、彼女のことをずっとかんがえながら

廃線が決まっている

増毛駅のほうへ向かって歩く。

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(のぶ)

2016年10月24日 (月)

サッサン、増毛、きょうはいい日になるといいね

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宿の前から、あさの日本海。 増毛

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寝ている

この部屋の窓からは

日本海がみえないのだけれど

潮騒はきこえてくる。ざっぱーん。ざっぱーん。

潮騒、気になってしまうと、ちょっと、うるさすぎる。

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きのう、内地で、でかい地震があったらしい。

この宿は日本海は目の前。(写真)

ざっぱーん。ざっぱーん。

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津波きたら、なに持って逃げよう。

いや。ここじゃ、逃げられない。死ぬな。

津波こわい。なに持って逃げよう。

寝られない。

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深夜

私の日本海が望めない部屋に、ひびく着信音。

波照間で出会った彼女からのメールだ

このまちにやってきてから

すっかり乱れ、ささくれ立っている私のこころが

さぁーっと、みずみずしくなり、ふわっと、あたたかくなる。

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私たちは、猫のはなしをしている。

そろそろ猫に会いたくなったんじゃない?と彼女は言う。

私はそろそろあなたに会いたいな、と言う。

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朝6時に、目覚める。

メールを彼女に送る。

おはよう。

きょうはいい日になるといいね。

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(のぶ)

2016年10月23日 (日)

サッサン、増毛、チョーシのった火を消すなサッサン

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ニシンの煮付け 地酒「國稀」 うまい。

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(前回のあらすじ)

宿の女将さんとのやりとりで、

すっかり気持ちが乱れてしまったサッサンは、

まちのゴミ拾いをして、こころを清らかにしようとするも、

ゴミ箱のないまちに、さらにこころを乱したのであった。

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ゴミを捨て、コンビニを出た私は、

そろそろ腹が減ってきたので

晩御飯をたべる店をさがすことにする。

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まちを歩くも、どうも私が入りたいとおもうような

店構えのお店がない。

入る前から、「どうせ、こんなもんだろうな、」と高をくくる。

サッサンは、いま、ほんと性格がわるい。

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ひどい偏見だ。わかってる。

でも。店の中身は、店構えにあらわれる、ともおもってる。

サッサンセンサーが、この店はよせ、この店もよせ、と命じる。

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港町。いい店で新鮮な魚介を食べたいところだが、

サッサンセンサーは、どうもそんな店はなさそうだ、という。

明日、あさ、鮮魚店で、

自分で刺し身を買って食べたほうがいい、とセンサーは私に告げる。

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さんざん、まちをうろうろ歩き、悩んだ末、

けっきょく。そばを食べることにする。

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まずは一杯

ニシンの煮つけに、増毛の地酒「國稀」を合わせる。

ニシンすごいおいしい。國稀うまい。

ばっちりだ。ニヤニヤ笑っちゃう。感動した。

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店には、わかい女性がひとり。

あなたが、このニシンを煮付けたのだろうか。

奥に、おばあちゃん隠れてない?

たいしたものだ。すごいうまいぞ。

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店には、店主?の彼女と、客の私しかいない。

いつもの、旅サッサンなら、チョーシのって、

「ニシン、すごいうまいです。これ、あなたがつくったんですか?」

とかグイグイ切り込んでいくところだが、

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さっきまでの、宿の女将さんとのやりとりが、

しずかに、私を臆病にさせる。

なんか、このまちに来てから、

チョーシのったサッサンはうまくいってない気がする。

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ニシン、すごいうまいのに

國稀、すごい合ってるのに

チョーシ封印。なにも言わないで、黙々と食べ続ける。

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「おいしいです!」と伝えるべきタイミングは去ったな

ばかだ。なんか絡んでいけばいいのに、

などとおもいながら、

そのあと、淡々と、そばを食べ、店を出る。

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チョーシのって生きろ。

勘違い男でいい、ただのバカでいい、

空気読まないやつでいい、

チョーシのって生きるほうが、ぜったい、いい。

やっぱり、ゼッタイ、そうしたほうがいい。

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日本海に面した宿に向かって

まっくろな海がものすごく荒れている

ざっぱーん!ざっぱーん!

音だけがする方に向かって歩いていく

こわい。

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(のぶ)

2016年10月22日 (土)

サッサン、気持ち乱れて、乞食同然

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日本海。

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「肌、合わね~な~」

宿を出て、まちを歩きながら、ずっと口にしている。

いらいらした情況を、寅さんのマネして、

なんとか笑い飛ばそうとする。

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私は、どうも、あの宿の女将さんと、

良好なコミュニケーションがとれないみたいだ。

チョーシ乗った、旅人サッサンが、うまく、はまらない。

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予約もなしに、いきなり、

「ごめんくださ~い、」とテンション高め、宿にやってきた私に、

えらいテンション低めで、女将さんがあらわれる。

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女将さん、私を乞食同然に、追い返そうとした寸前で

切実な宿泊交渉してきた私に

「じゃあ、素泊まりならいいけど、」としぶしぶ言う。

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も。素泊まりの金額を聞いて、びっくり。

「えっ?! 素泊まりですよね?

高っかいな~!あはははは、」

私は、つい、あっけらかんと口にしちゃう。

女将さんは黙っている。

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もう既に、一軒の宿で、断られてきた。

この宿を逃すと、さびしすぎるこのまちで、

今夜泊まるところがなくなってしまうかもしれない。

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しかし、この宿でその値段は高けーよ。高すぎるよ。

こころで泣いて、苦々しくおもっているのは、

私のどういう仕草にあらわれてしまっているのだろうね。

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下駄箱には、来客の靴がひとつもない。

「じゃあ、どうぞ、」と女将さんに言われ、階段をあがる。

「じゃあ、」って、なんだよ。いちいち、おもう。

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「この部屋で、」と案内された部屋は、

海とは反対側の、使用人が寝泊りするような、向きの部屋で

「えっ!海側の部屋じゃないんですか!」と

私は思ったままを、あっけらかんと言っちゃう。

「海側の部屋は、片付いてないから、」と女将さんは応える。

女将さんの機嫌がますますわるくなる。

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日本海に面した、眺めのいい、お宿です。

私の部屋の窓から見えるのは、裏の民家です。(写真)

がっかり。狭苦しい部屋にひとり。

しばらく、ドアを閉める気にもなれないよ。

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「なんだよ、片付いてない、って。

しっかし。なんで、この部屋かな~、全室空いてるのに~」

サッサン独り言をぶつぶつ。言ってから、

となりの部屋で、女将さんが何か作業をしていることに、気づく。

開けっ放しのドア。いまの、ゼッタイ聞こえたろうな、とおもう。

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「すみませ~ん。すみませ~ん。」

フロント前で女将さんを呼ぶ。

しばらくして、女将さんがめんどくさそうに(と見えてしまう)あらわれる

「晩ご飯食べてきます。鍵を預けようとおもって、」と言う私に、

「持ち歩いてて、」とそっけない。

もう、極力、私とは関わりたくないみたいだ。

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「肌、合わね~な~」と言いながら、まちを歩く。

わるいのはぜんぶ、チョーシ乗った私だ。わかってる。が、

もう今更、修復できそうにない私たちの冷めた関係が、

私の宿泊のあいだ、つづくとおもうと、めんどくせー

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「てか。あの部屋は、ね~よな~、ひどいよ。」

サッサン、気持ちが大いに乱れている。

こういうときは、ゴミ拾いだな。

街道に落ちている空き缶、ペットボトルを拾って歩く。

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も。なぜか、このまちには、

自動販売機はあるのに、ゴミ箱がない。

空き缶、ペットボトルを手にしたまま、

ゴミ箱をさがして、駅前、港、商店街をさまよう。

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全くどこにもない。そのうち、

「売るだけ売って、なんで、ゴミ箱ひとつ置いてねえんだよ、」

このまちに、いらいらしてくる。

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観光マップで、まちはずれに、コンビニがある

ゴミ箱のために、コンビニへ、歩いて行く。

も。がっかり。そのコンビニは、店内にゴミ箱。

「マジか。都内じゃあるまいし。なっまいきに。」とおもうサッサン、いま、

そうっとう性格が悪いね。

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しかたない。

このゴミを捨てさせてもらうかわりに、何か買うとするか。

いま、コンビニで買いたいものなど何もない。うーん。

エディ兄へのお土産に、「純蓮みそ即席ラーメン」を買うとしよう

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値札がないが、せいぜい200円くらいだろう。

レジで、ピッとしたら、

一袋で300円くらいして、ビビッた。

高っけーよ。

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このまちでは、なにもかもが、うまくいかない。

いらいらサッサンは、ごみ拾いを、つづけるしかないのか。

てか、まちにゴミ箱を設置してほしい。

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私がまちで拾ったゴミを、宿に持ち帰ったら

それこそ乞食

女将と私の冷めた関係は、どうなるのだろうか?

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(のぶ)

2016年10月21日 (金)

サッサン、増毛、内地のひとは北の国から健さんね

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試飲コーナー  國稀酒造。

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「おにいさんは、内地のひと?」とおばさまに訊かれ、

「あ、やっぱり、内地って、言うんだ、」とおもう。

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増毛の地酒「國稀」酒造には、試飲コーナーがあって

10種類以上、いろんなお酒が

國稀酒造のおばさまがテンポ良く、紹介をしながら

じゃんじゃんふるまわれる。

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私以外、だれもいないからか

「内地からのひとなら、もうちょっとサービスするね、」と

通常の試飲コースより、もう少し、飲ませてくれる。

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根室の漁師の親方も、マサさんも

「内地」「内地」言っていたなあ、とおもいだす。

「クソうっめー」言う、北海道のいまの若者も

「内地」って使うのだろうか、

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『北の国から』を観ていたら、やっぱり

田中邦衛が「内地」言っている。

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道民の人から「内地」って聞くと、いつもわくわくする。

本州と北海道が、断絶している

いまだに、ぜんぜんつながっていない世界観が、いい。

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映画『鉄道員(ぽっぽや)』を観ていたら、

高倉健のしゃべり方が、「~ね」と語尾につける。

あ、マサさんのしゃべり方に似てる、とおもった

『ぽっぽや』で高倉健は、地味に、けっこうちゃんと、

北海道の方言やってたんだな、とおもった。

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國稀酒造のおばさまは、

映画『駅 ステーション』のロケで、ここに健さんが来た、みたいなことを言う。

私は『駅 ステーション』観たか、観てないか

忘れてしまったから、「ふーん。」とか言っている

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終着の増毛駅まで来て、さっさと折り返してしまう

通常の鉄道ファンとはちがって、

わざわざ?増毛のまちに泊まっていく

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そんなに鉄道ファンではない?私がうれしかったみたいで

「内地のひとなら、もうちょっとサービスするね、」と

通常の試飲コースより、もう少し、飲ませてくれる。

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(のぶ)

2016年10月20日 (木)

サッサン、増毛、鉄道はなくなるまちの水を汲む

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終着 増毛駅。 鉄道ファン。

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増毛(ましけ)に泊まろう

で。北海道に来る前に

ネットで、増毛のことをしらべていたら

観光協会のブログが、なんか、おもしろい。

http://mashikejp.sblo.jp/

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あしたから、私たちのまちに鉄道がやってこない

廃線あとの、このまちが

いったい、どうなってしまうのか

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未来におびえたり。気丈に振舞ったり。

過去を振り返ったり。前を向いたり。

死に向かう者の「達観」みたいな

冷めたトーンがブログ全体に漂う。(と私はかんじる。)

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なんかとっても人間味のあるブログだ。

廃線後の不安やヤケクソを、わりと正直にさらしている。そこがいい。

でも、未来に投げやりじゃない。だから付き合いたくなる。

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私はまいにち、増毛の観光協会のブログ(毎日更新)を読んだ。

ここにあるのは、あるひとつの死に対する、ただしい、まともな態度だ。

まだ行ってもいない増毛のまちがすきになる。

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増毛のまちをあるく。

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増毛の地酒、「國稀」酒造所で、

湧き水を大量に汲んでいる地元のおばあちゃんと、

私は話をしている。

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「ここの水はぬるくなったけど、おいしいよ、」とおばあちゃんは言う。

なるほど、まろやかで、美味しい。

いままで汲んだ水で、いちばん美味い水かもしれない

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「そうだよ、ここの水はおいしいよ。でも、ぬるくなった、」

とおばあちゃんは言う。

「へえ~、ぬるい? じゃあ、むかしは、冷たかったの?」

「冷たかったよ。もっと冷たかった。でも、ぬるくなった。」

「そんなにぬるいかなあ?」

「ぬるいよ。もっと冷たかったんだから、」

「でも、うまいよ」

「そうだよ、ここの水はおいしいよ。でも、ぬるくなった、」

とおばあちゃんは言う。

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(のぶ)

2016年10月19日 (水)

サッサン、JR留萌線のラストランは、ボブ・ディランになる

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日本海、遠くに増毛のまちがみえる

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「熊本城、再建する必要ある?」

と熊本市民に言っちゃうサッサンであるが、

JR北海道の廃線のニュースは、ものすごくかなしい。

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JR留萌線、日本海側をはしる

留萌~増毛駅のあいだが、

今年12月4日をもって、とうとう廃線になってしまいます。

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私たちが生きているあいだに、

いま走っている鉄道路線が、なくなってしまう

私たちは、この世から、ものすごく大きなものを、なくしてしまう

もう取り返しがつかない。

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むかし、ここに鉄道が走ってた。

このことが、いかに壮大なことであり、ゆめのようなことだったのか

こんな、ばかみたいな、でっかいもの、もう二度と造れないよ。

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なんというか、私は、

ひとつの世界の死を見届けにきた。のだ。かもしれない。

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深川駅から、一両編成の留萌線は、

平日のお昼過ぎなのに、超満員。

いつもは、のどかなローカル線も、

全国から集結した鉄道ファンたちの熱気、そわそわ感

車内は、異様な雰囲気です。

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留萌までは、山の車窓がつづき、紅葉がきれい。

そして留萌駅を過ぎて、増毛駅まで、

いよいよ見納め!

日本海をながめる車窓になっていく。

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海沿いの車窓、よくある、ひなびた風景

とりたてて、特徴はない。(写真)

だから、乗車しているいま

これがなくなってしまうことに、特別強いおもいは起こらない

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なくなってから気づく、ことに、

わたしたちは、いま、気づけない

だから、あなたは、わたしといっしょにいるべきなんだ

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ボブディランみたいな歌詞を、つくってみた。

いいうたになるといいな。

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(のぶ)

2016年10月18日 (火)

サッサン、旭川でラーメンを食べ、ズバリ言うわよ!

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旭川のまち。 紅葉がきれいです。

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JR石北線で、12時20分に旭川駅に着いた。

13時00分発の特急スーパーカムイに乗りたい。

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40分間で、旭川ラーメンを食べにいく。

駅から店へ歩く時間。待つ時間。食べる時間。駅に戻る時間。

考えると、いそがしい。ラーメンミッション。

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去年はここで、定番の醤油ラーメンをたべたが

今回は、塩ラーメンを食べてみることにする。

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厨房の奥の壁に、

そのむかし、往年の細木数子が来店し、

塩ラーメンを食べた、おいしかった、と色紙がある。

細木数子に乗っかってみる。

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ううむ。やっぱり、醤油ラーメンだったか。

「ズバリ、言うわよ!」細木先生ではないから、

私は黙って塩ラーメンを食べている。

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すると。

「クソうっめ、」とリーダー格のひとりが言い出したら、

「クソうめー」「マジ、クソうめー」「クソうめー」

カウンター席の男子中学生連4人が連鎖状態に入る。

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「おい、おまえら。めし食ってるとき、そのことば遣い、やめろ。」

と、こころでおもう

同じくカウンター席のサッサンだったが、

ズバリ言うわよ!とはいかないね。

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「クソうまい」が、いまや、

男子中学生連にとっての「美味いの最上級」であるらしいことが、はたして

「学生さんは割引!、大盛りをどんどん食べてってくれよ、」

若者に理解のありそうな、恰幅のよい

そんな厨房の店主に伝わってるのかなあ

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「おい、おめえら、うちのラーメンばかにしてんのか!」

「え?え?、おいしいって言ったんですけど、」

「あ?、てめえ、いま、クソって言ったろ!あ?」

そんなばかみたいなビューティフルな展開にならないかなあ

私は期待している。

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(のぶ)

2016年10月17日 (月)

サッサン、JR石北線で、時代劇みたいな旅人たち

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JR石北線 中愛別駅。

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網走から旭川をつなぐ、JR石北線。

北見駅で、特別快速「きたみ」に乗り換えます

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去年9月、JR石北線に乗ったときは

なんだか山ばっかりだなあ、寝てた。

でも、ことしは、ちょうど紅葉のタイミング

紅葉って、ちょうきれいですよね。

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遠軽あたりは、青い空に、紅葉が赤や黄色

旭川に近づくにつれ、標高が上がり、白と黒、灰色

雪が降り、どんより雪景色 (写真)

同じ一本の電車で、ドラマチック石北線

すごいたのしい。TDL超えた!

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停車のたびに、わざわざ車両の外に出て

駅の風景や車両の写真を撮りにいく物好きは

私と、もうひとりの鉄道ファンの男性くらいなものである。

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私は、泥ブログ更新やメール送信という、重大な?使命のもと

ケータイでピコリンピコリン、写真を撮るが

鉄道ファン男性は立派過ぎるカメラで、カシャリ、カシャリ

きみはなんのために写真を撮るのだろう?

きみもやっぱり、私のような重大な?使命を抱えているのかな?

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私とその鉄道ファン男性とは、釧路から、なんとなく同じ旅程をたどっており

どこかで別れても、次の日、また同じ電車に乗ってたりする。

諸国を巡る時代劇みたいに、私たちはなぜか次のまちでばったり出逢う。

電車旅をしていると、実際にそういうことがよくある。

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そのうち、「どうも。」「あ、どーも。」と

会えば、小さくあいさつをするようになっていて、

少し話したところ、最終目的地は、同じであることがわかった。

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「あ。やっぱり、いっしょでしたか!」と

鉄道ファン男性は、私に向かって言う。

「やっぱり」?

私もすっかり同類(鉄道ファン)にみえているらしい。

全然そんなことないんだけど。

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同じ道のりで、仲良くなってきたからといって

となりの席にすわって、鉄道談義に花を咲かせるわけでもない。

きっと鉄道ファン男性はそれを望んではいないだろうし。

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「乗り鉄」は、「車窓の風景を味わい尽くす」ことが目的である。

知った仲が、同じ車両に乗っていても、あくまで別々にすわり、

それぞれ、「自分の車窓」をながめて、ぼんやり(うっとり)しているものだ。

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私はおもうのだが

もし大好きな女の子と鉄道の旅をしたら

いまや、すっかり「乗り鉄」の私は

この車窓もんだいを、どうするのだろうか?

やっぱり、彼女とは別々に座り

それぞれの「自分の車窓」をながめて、ぼんやりするのだろうか?

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そんなばかな。

彼女に窓側に座ってもらい

私は彼女のとなり、通路側の座席で

車窓をぼんやりながめる彼女の横顔をみつめる。

車窓なんかどうだっていい。あなたがすきなんだ。

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ほんとかよ。

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(のぶ)

2016年10月16日 (日)

サッサン、知床斜里で、生きのびる

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風呂上がり、薪ストーブのまえで。

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サッサン、知床斜里で猛吹雪、死ぬかとおもった

身体中ずぶ濡れ。息が切れ、ハアハア言って、

全身で「死ぬかとおもった」をあらわすサッサンであったが

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宿に入ると、宿の女性スタッフは、宿帳を出して、

「じゃあ、ここに記入してください。」と言うだけ

私が宿帳に記入するのを、突っ立って待っている。

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なんというか、私の「死ぬかとおもった」に

もうちょっと乗っかってきてほしいなあ

外の猛吹雪、ずぶ濡れ、疲弊した私

突っ込みどころは多いとおもうぞ

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しーん。

わかったよ。ペンを持って書こうとするけれど、

私の手は、寒さにかじかんで、おもうようにうごかない

はあ、はあ、まだ息も切れている

強い緊張が解け、あたまもぼんやりしている。

やっぱり、まだダメ。うそじゃないよ。

宿帳を書くこともできず、ずぶ濡れで、ただ突っ立つ。

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しーん。

女性スタッフは、ずっと黙って、突っ立っている。

なんか、サッサンの「死ぬかとおもった」が、バカにされてる

北海道的に、鼻で笑われてる

気がする。

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「なんかやさしいこと言ってくれなきゃ、ゼッタイ書かないゾエ!」

途中からは意地張って、サッサン、宿帳を書かない

私たちは黙って、突っ立っている。

しーん。

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けっきょく、私は生きのびて

宿の天然温泉に、ゆったり浸かり

薪ストーブのまえで、暖をとり

知床チキンに、サッポロクラシックを合わせ (写真)

「いや~、もうダメかと思った、」と、くつろいでいる。

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薪ストーブのまえには、白人の外国人旅行者がいる。

彼女は、知床チキンにかぶりつく私に、なにか話したそうにしているけれど、

私は、できない英語でがんばってコミュニケーションとか、する気になれない。

ニッコリ笑みを交わすだけにする。

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テレビのニュースで、

こんやの北海道東部、最大風速35メートルあったんだって。

うん。いい数字だ。橋の上の強風、ヤバかったもんね。

死ぬかとおもった。北海道、おそるべし!

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無事で何より。

終わってしまえば、ぜんぶ、そんなもんなのかな。

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薪ストーブで、ずぶ濡れのジーパンとスニーカーを乾かしていると、

「燃えちゃうよ、」

スタッフの男性に注意される。

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(のぶ)

2016年10月15日 (土)

サッサン、知床斜里で猛吹雪、死ぬかとおもった

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そば大盛り。斜里。

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「おおおっ! すげ~大盛り。」

私がにっこりそう言うと、

よさこいソーランを踊ってそうな女性店員が、

「そば、大盛りになりま~す。」、うれしそうに笑う。

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「いっぱい食べれましたか?」

会計のとき、よさこいソーランを踊ってそうな女性店員に笑顔でそう言われて、

「ええ。おいしかったですよ、」と笑顔で応える。

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ちょっとほろ酔いで、そば屋の扉を開けると、

びゅうぅー。ボォーッ、ゴォーッ、

えっ?  ふ、ぶき、なの?

これは。ちょっと、ヤバイ、かも。

ハッと、酔いがさめる。

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よる。オレンジ街灯のあかり。吹雪。

まちには、だれもいない。

これはまずいかも。どうしよう。

とりあえず屋根! 駅へもどる。

きょうの釧網線は、終電。

駅にはだれもいない。タクシーもいない。

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夕方、駅に着いたときには、

まだ、外は明るくて、雨はぽつぽつ降る程度

駅構内には女子高生がいて、にぎやかだった

私は、観光案内所の女性とダラダラ話していた。

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そんなヨユーの気持ちのまま、こんや泊まる宿を

駅から2キロ先の、なにもない原野に建つ、大自然の宿に決めた。

駅前の宿よりも、なんか北海道っぽいかな、とおもった。

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だれもいない駅で、とりあえず、宿に電話。

チェックインが遅れそうなことを伝える。

「だいぶ吹雪いてきましたが、お客さん、大丈夫ですか? 駅まで車で迎えに行きましょうか?」

根室みたいなやさしさを期待したが、

「チェックインの時間内に入ってください。」とだけピシャリと言われる。

うっ、斜里は甘くないッス。

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吹雪のなか、真っ暗な、知らない土地を歩く、2キロ。

長げ~な。めんどくせ~

うう。駅近くの宿にしておけば、よかった。

ミスターストイックは、夜に弱かった。ぜんぜん気力がおきない。

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「ええいっ!」と気合いをいれて、駅の外に出る

駅前オレンジ色の街灯。ますます吹雪は強まってる

即、気持ちが萎える。ムリ

駅前のセイコーマート(コンビニ)に、逃げる。

^--

ほっ。あったかい。

なんとなく、雑誌コーナーへ、週プレを手に取り、立ち読み

「ふむふむ。 ほ~。 なるほど。」

水着のグラビアアイドルをながめている。

^--

「おれ、なにやってんだろ?」と、おもう。

こんなことしてるヒマはないですよね、

立ち読みのお詫びにサッポロビールクラシックを買い

セイコーマートを出て、ふたたび吹雪のなかへ。

^--

仕方ない。吹雪のなか歩く。どんどん歩く。

ゴアテックス上着のおかげで、上半身は大丈夫。

ただ、ジーパン、スニーカーは徐々に濡れてきている。

下半身、冷えてきた。ちょっと気になる。

^--

なんか、おかしい。

もう2キロは歩いてる。ずいぶん歩いてきた。が、宿の看板が出てこない。

吹雪のなか、たちどまる。

懐中ライトで地図で確認すると、一本、道を間違えてる!

気づくのが、遅い。ずいぶん、遠くまできちゃったよ。

心底がっかりして、吹雪、来た道を引き返す。

^--

間違ってしまった交差点までもどってきた。

「また、ここから、かよ、」、気力がグっと低下する。

スニーカーが、ずぶ濡れてしまっている。

水たまりを避けよう、という気持ちが起こらなくなってる。

やけくそレベル、かなり高くなっている。

^--

大きな川にかかった橋を渡る。

橋の上では風がさらに強い。こわい。

身体ごと、吹き飛ばされそうな危険をかんじる。

そんな死に方はいやだなあ。

ばかみたいで、かっこわるいけど、身を屈めて、ゆっくりと前にすすむ。

すげ~必死。はずかしい。誰もいないけど。

^--

橋を渡ると、マジまっくらな原野になった。

猛吹雪。ただ、強い風の音だけがする。

こ、これは、やばいね。

この道がまちがっていたら、。おれ、どうすんだろ。

^--

ときおり、クルマが通り過ぎていく。

猛吹雪のなか、まっくらな夜道を

ひとりで歩くにんげんが、とつぜんヘッドライトにうつったら

ただただ、気味悪いだけだろう。

だれも停まって、「大丈夫ですか?」とも言ってくれない。

^--

遠くに民家のあかりもみえる。

けど、こんな猛吹雪のよるに、しらない男がドアを叩いたら、

家のひと、めちゃくちゃこわいだろうな。

^--

いざとなったら、おれ

クルマを無理やり、停めようとすべきだし

民家のドアを叩くべきだろう

ケータイで119番することもありうる

ここはべつに未開の地でもないんだから。

でも、孤独感が、すさまじい、さっきから。

^--

てか、この懐中ライトが、いま突然切れたら

おれは、この吹雪のなか、まっくらな原野で、もう、うごけないじゃん

そのことをおもった途端、ぎゅっと、おそろしくなってきた。

^--

たかが、この懐中ライトのあかりに、おれの存在がかかっている

いま、自分がおかれている状況の、危険レベルがぐんぐん高まってきている

自分で、どこでギブアップをするか、そのラインをかんがえはじめる。

^--

^--

(のぶ)

2016年10月14日 (金)

サッサン、JR釧網線で、日ハム、レアード選手の話をしていた

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釧路駅。なつかしの、たらこ電車。

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^--

去年、

JR釧網線(釧路~網走)に乗ったときは、

もう日暮れて。車窓はまっくらで夜汽車

名物、釧路湿原なんて、なんにも見えない。

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私はボックス席でいっしょになった、

大昔のアイヌ人のような、濃い顔で、りっぱなひげを生やしたおやじさんと、なかよくなって、

日ハム、のはなしをしていた。

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湿原の車窓をすっごいたのしみにしていた釧網線、初乗車であったが、

日ハムのブランドン・レアード選手はいかにすごいか、

日本ハムファイターズは、いかに良い外国人選手を獲ったか、

大昔のアイヌ人のようなおやじさんが、つばを飛ばして、熱っぽく話すのに、

ジャイアンツファンの私は、へぇ~、ふ~ん、とか言ってる。

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^--

今年、

マサさんと根室で、せわしく別れた私は

つまり、明るいうちに釧網線に乗りたかった。

こんどこそ、ゆめの釧路湿原の車窓をながめたい。

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JR釧網線も、相当ゆめみたいな車窓です。

でも、やっぱり、私はJR花咲線がすき。

厚岸湖のあたりの湿原の車窓は

水に浮いてる。ゆめすぎる。

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ていうか、花咲線の終着、

根室にいけば、マサさんや漁師の親方と会える。

だから花咲線がすき。だんだんわかってきた。

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^--

そこになにがあるか、ということよりも

そこに誰がいるか、ということのほうが

たいせつなことであるのかもしれなかった

^--

釧路湿原の車窓について書いていくことよりも、

日ハムのブランドン・レアード選手のことを熱っぽく話す

大昔のアイヌ人のようなおやじさんと出逢ったことを書いているほうが

やっぱり、たのしい。

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^--

(のぶ)

2016年10月13日 (木)

サッサン、JR花咲線でヤンキー家族に感謝する

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花咲線の車窓。

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^--

私が、いちばん最高だとおもう鉄道路線は、

たぶん、JR花咲線(釧路~根室)である。

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厚岸(あっけし)あたりの湿原の車窓は、

ゆめみたいで、信じられない。

根室に近づくあたりの、草原の車窓は、

ゆめみたいで、信じられない。

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JR花咲線は、TDLをはるかに超えて、

これが現実の乗り物なんて、ゆめすぎる。

JR北海道は、すばらしいよ。

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^--

一両編成の車内には、

平日の午前にもかかわらず、家族連れがいて、

釧路のイオンに遊びに行く、マイルドヤンキーの一家だ。

^--

私の旅情をぶちこわす、

マイルドヤンキー一家(三世代。祖母はおどろくほど若い)

その騒がしさに、げんなりする。も、

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根室市民のかれらが、平日の午前中から、

こどもの学校を休ませて、

JR花咲線をつかって、釧路まで遊びに行く、

^--

そのことこそが、

JR北海道、花咲線の存続につながっているのだ、とおもうと、

なんとも、ありがたい。ありがとうございます。

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^--

「三代目」の曲を、ヤンママのスマホで聴きたい娘が

「ねえ~、ママ~、さま~まっどねす、ってどう書くの~」

検索したいのか、英語のつづりを大声でたずねていて、

^--

「エス、ユー、エムエム、イー、アール。

エム、エー、ディー、エヌ、イー、エスエス。」

若すぎるヤンママが、すばやく、よどみなくスペルを答えているのが、

なかなか、すごい。

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(のぶ)

2016年10月12日 (水)

サッサン、根室、おじいちゃんと駅で別れる

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根室駅。

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マサさんと私は、

漁師の親方のうちに寄って、

これから根室駅から電車に乗って、根室をあとにします

と、あいさつをしに行く。

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親方はあいかわらず、

「いいか、北方領土が還ったら、色丹でガンガンやるぞ。

内地さ、帰ったら、船舶一級、とっとけよ、」

と私に言う。

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「北方領土とか船舶一級とか、本気にしちゃ、ダメよ。聞き流してね、」

おかみさんは、いいかげん、本気で釘を刺す。

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親方のうちを出て、

根室駅発の電車まで、あと30分くらいしかないんだけど、

マサさんは、なぜか、駅ではなく、港のほうへ車を進める。

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「え? 駅に行くんじゃないの?」

私は、マサさんに、ひかえめに言う。も、

ちょっと焦り、苛立ちをかくせていないことに、自分でも

イヤな感じで言っちゃったな、とおもう。

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「うちに寄ってこう、とおもってね。忘れ物はないか?」とマサさんは言うが、

マサさん宅に寄っていったら、電車に乗り遅れてしまう

そうしたら、次の電車は2時間後で…

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「うちに忘れ物はないの?」とマサさんはさっきから同じことをまた確かめる。

「確かめたから、だいじょうぶ。ごめん、駅へ向かってください。」と

私はやっぱり、焦った声で言ってしまう。

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「そうか。」とマサさんは言うも、

やっぱり駅とはちがう方に行ってない?

つねに近道をえらんでいくマサさんが、

なぜこんな道を走っていくのか、よくわからないし、

私は、電車に乗り遅れる、とますます焦っている。

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マサさんが、これまでに建てた3軒の家のうち、

駅の近くの、2軒目のうちを私に見せたかったらしい。

「へぇ~、」なんて、私は言うが、

やっぱり電車の時間が気になっている。

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^--

根室駅に着いたのは、10分前。

駅前ロータリーで軽トラを停車したマサさんに

お礼を言って、握手をして、

「来年も来るんだよ、」と言うマサさんに、

「また来るから、それまで元気でいてね、」と私は言う。

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でも。私は

JR花咲線、海側の座席確保のことに

どうも、あたまがいっぱいで、そわそわしている。

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マサさんと別れて、いそいで改札を通る。、

無事、太平洋や湿原を臨める海側の席に座れた。

ふう。それほど焦ることはなかったかもしれないな、

私はやっと気持ちが落ち着いたとき、

「てか、おれ、最低だったな。」

マサさんへの申し訳ない気持ちが、どどどーっと湧いてくる。

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(のぶ)

2016年10月11日 (火)

サッサン、根室 春国岱で海兵隊のように走れ

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春国岱。 左が風蓮湖、右がオホーツク海。

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根室には、

春国岱(しゅんくにたい)という、

オホーツク海と風蓮湖のあいだにできた砂州が

何キロも伸びていて、地図をみてるだけで、わくわくする。

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マサさんに木道入り口まで軽トラでつけてもらって、

「ちょっと1時間くらい歩いてくるね、」と

ひとり、まったく誰もいない木道を、あるいていく。

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「しゅんくにたい、さいっこ~!」(広末風に)

木道歩きは、意味もなくテンションがぐんぐん上がる。

ああ、このことを波照間で出会った彼女に伝えたいな。

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雨が降り出してきた。

空はどんどん曇ってきて、風が強まり、

風蓮湖の波がバシャバシャ高くなっていくのは、ちょっとこわい。

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木道はやがて、

道だかなんだかわからない原野になる。

雨が本降り。誰もいない原野に、私ひとりきり。

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けものの足跡がある。ふたつ。

くっきりと、けものの足跡が、砂地に残っている。

犬の散歩?にしては、大きすぎる犬。

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しばらく歩いて行くと、こんもり、でっかいふんがある。

見なかったことにする。

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「熊も、たまに水を飲みに降りてくるよ、」

さっき、軽トラのなかでマサさんが言っていた。

よくテレビで観る、「くまが海岸に下りてきている映像」を思い浮かべる。

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雨が激しくなってきて、風もいよいよ強くなってきた。

嵐。誰もいない原野。世界の終わり。みたいな。

なにかが「これ以上、来るな、」と言っている。みたいな。

またまた~。それって、何を観た影響だっけ?

子どものころ観たアニメじゃないの? 冷静になろうとする。

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どきどきどきどき。ああ。もう、ダメだ。

サッサン、完全に、ビビッてる。。

くまがこわい。遭遇がこわすぎる。恐怖だ。

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春国岱、まだまだ途中のはずだが、来た道をひきかえす。

まったく誰もいない原野。

「サッサン、くまに襲われ、救助隊にやさしくされる」

人騒がせのばか。ぜんぜん、シャレにならない。

くまは、いまどき、リアルだよ。

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ばかみたいに大声を上げて、海兵隊のように走る。

「あー!」と言うだけでは、すぐに終わってしまう。

うたをうたい続ければ、大声をずっと出せる。と気づく。

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あなたに、あえない、あえないよ~

あなたに、あえない、あえないよ~

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強い雨、風のなか、ばかみたいに、声を張り上げて、

サッサン、くまに捧げる?オリジナル曲をつくった。

うたいに、うたった。

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歌うきっかけは、いろいろある。

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(のぶ)

2016年10月10日 (月)

サッサン、根室港、北方領土が還ったらサッサンのもんだいになる

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ウニ! ものすごくうまい。

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「もうちょっとしたら、

北方領土が還ってくるからな、

そしたら、おにいちゃん、おれの跡継ぐんだぞ、な?」

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漁師の親方は、私に、

このことを何度も何度も言う。

「おにいちゃん、本気にしちゃ、ダメだよ~」

おかみさんはわらっているが、

親方の目は、マジじゃないかなあ、と私はおもっている。

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「いいか。内地さ帰ったら、

船舶一級取っておけよ、

北方領土、還ったら、色丹(しこたん)でガンガンやるからな、」

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親方から出てくることばのひとつひとつが、かっこよすぎる、

はなし半分で聞き流すには、話の内容がかっこよすぎる。

船舶一級の免許って、どんなこと勉強するんだろ?

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^--

マサさん宅で、あさ5時に起きて、

マサさんから借りた漁師の格好に着替える。

私も港作業の手伝いをするつもりだったが、

^--

やっぱり、私なんか、港作業のじゃまでしかなく、

すみっこで、ウニ食ってろ、ということらしい。(写真)

ナイフとざるを渡されて、

山積みになったウニちゃんの前で、

「自分で割って、好きなだけ、勝手に食べてて、」と、ほったらかしにされる。

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漁師の格好して、座って、黙々と、ウニ食ってる。

なんか、ばかみたい。いいとおもう。

まあ、そういう「ほったらかし」が根室のおもてなし

遠慮なく、50個くらい、たべまくる。

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去年は9月のウニだったが、今年は10月のウニなので、

より濃厚な甘みがあり、とてもうまい。

天然、獲れたての、ホタテやホヤ貝も食べさせてもらう。

ゆめみたいだ。TDL超えた!

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^--

ウニやホタテ、ホヤ貝を、

ざるに入れて、水でひと洗いする。

その水は、波止場のそのへんにバケツを投げ入れて、汲んだ海水だ。

水、きれいなのか?そういうことは、この際、どうでもよろしい。

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きのう、

沖に網さしに行って、港に帰ってきた親方に会いに行ったとき、

親方がとつぜん、自分の舟の上で、おしっこをしはじめて、

ビビッた。

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舟の床に、おしっこが、じゃー、と当たる音がしてる。

え? マジか。すげーな。

私は衝撃を受け、なんで、海に向かっておしっこしないんだろう、と強くおもったが、

漁師たるもの、海におしっこなんかできるか、ということなのかな、と

私はウニを海水で洗いながら、ふかく納得した。

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(のぶ)

2016年10月 9日 (日)

サッサン、根室、岡崎朋美みたいなリアクションをする

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根室晩酌。芝えび&ちかの干物。北の勝。(とろサンマ撮り忘れた)

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よる7時。

銭湯から上がって、牛乳を飲んでいると、

マサさんの白い軽トラが、約束の時間通りに駐車場にやってくる。

マサさんは時間に正確だ。

^--

北海道に大きな被害をもたらした、この夏の台風で

土砂崩れがあり、いまは市が通行止めにしている柵をよけ、

マサさんの軽トラックは、砂利道をガタガタ行く。ずっと通ってきた道だから。

時間は守るが、こういうことはぜんぜん気にしない。

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「ここは、むかし、線路が敷かれてあって、鉄道が走ってたんだよ、」

マサさんは、なにげなく言う。

貨物専用として、港から、いまのJR花咲線へとつながっていたらしい。

きゃー! 北海道の鉄道、廃線のはなしは、私の大好物だ。

ロマンがあるよ。

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うちにかえると、晩御飯が用意されていて、

奥さんが、サンマを、お刺し身にしてくれていた。

きゃー!根室名物、とろサンマ!

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とろサンマの濃厚な脂を、根室の地酒「北の勝」で流す。

最高。すばらしすぎる。

もはや、うますぎて、笑って「おー!」としか、言えない。

とろサンマを一切れたべるたびに、「おー!」と唸っていると、

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居間のつけっぱなしテレビで、

女子スピードスケートの岡崎朋美が

宮城でサンマを食べていて、

私とおなじように、

笑って「おー!」と言っている。

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テレビの中と外で、

そろいもそろって、サンマ食って、笑って「おー!」。

岡崎朋美も、サッサンも、

なんだか、ばかみたいだ。いいね。

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「このおねえちゃんも、さっきから、

おにいちゃんみたく、

おー!しか言ってねえな、」

とテレビを観ながら、マサさんは言う。

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(のぶ)

2016年10月 8日 (土)

サッサン、根室港で、魚釣りをする

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ちか。根室港。

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オホーツク海側のノサップ岬から、

お昼は、太平洋側の花咲港で、ラーメンを食べる。

「おいしい。」言って、スープ全部飲み干そうとするマサさんを

奥さんと一緒になって、止める。

根室半島をぐるっと一周して、

根室市街のマサさん宅にもどってきた。

^--

午後から

奥さんは町内会のあつまりがあり、

マサさんは、針灸治療の予定が入ってる。

「おれが針灸から帰ってくるまで、

おにいちゃん、港で魚釣り、しててな、」

マサさんのなかで、私のスケジュールがきっちり決まっている。

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根室港で、釣り竿を渡され、オホーツク海

一時間くらい、魚釣りをすることになった。

釣り人サッサン。

「なにやってんだ?、おれ、」

魚釣りなんて、いつ以来だろう。

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釣り針に、えさも何もつけず、

ただ海に投げるだけ。の釣り。

なんか、あほみたいだ。

すると、びくん!びくん!という手ごたえが竿から伝わる。

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びくん!びくん!ぶるぶる!ぶるぶる!

ああ、これだよな、これ、これ。

これが釣りの快感なんだよな、とおもいだす。

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マサさんの釣り針は、なんか特別仕様らしく、

周りの釣り人よりも、明らかに私の竿に

魚(ちか)が、ガンガンかかってくる。

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はじめのうちは、びくん!びくん!たのしかったけれど

だんだん、釣れすぎ?のような気がしてくる。

30匹くらいになったあたりで、

こんなに釣って、どうするんだろう?

このさかな、うまいのか? てか、食えんのか?

心配だ。

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すると。

漁師の親方から、でんわが掛かってくる。

「いまから、ふね(艇)出して、沖で網、さしてくるからな。

あすの朝、にいちゃんに、いっぱいウニ食べさせなくちゃな、」

と親方。

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きゃー。親方、あいかわらず、かっこいい。

しばらくして、私の釣りしているところから沖合いを、

親方の艇が走りすぎていく。

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「オーイ!」と沖に向かって、大声で、大きく手を振る。

開放的サッサン。

自分でも、なんかすごく別人になった気がする。

周りの釣り人が、おどろいて私のほうをみている。

「こいつはあたまがおかしい、」とおもわれているのだ。

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(のぶ)

2016年10月 7日 (金)

サッサン、根室、納沙布岬から北方領土をみつめる

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ノサップ岬のドライブ。なにもない原野。かっこいい。

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ノサップ岬の展望台にあがった

マサさん、奥さん、そして私は、

3人して、望遠鏡をのぞきこんで、

北方領土をみている。

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「見えるか?」

「きょうは、見えないね、」

望遠鏡をのぞきこんだまま、

そんな会話を交わしているマサさん夫婦は、かわいい。

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マサさん83歳、奥さん78歳。

はなし好きなマサさんがよくしゃべり、

奥さんがひとこと言って、話に展開をもたせる、

そんな夫婦だからか、みていて、仲がいい。

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「(ノサップ岬に)ふたり揃って来たのなんて、何年ぶりかねえ、」

奥さんは言い、

「10年ぶりくらい?」と、私が訊くと

「いや、それ以上だね、」とマサさんが答える。

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「来れてよかったねえ、」

夫婦ふたりしてそう言っているので、

私が、きっかけで、そうなったなら、うれしい。

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私は、きっかけ、きっかけ、と

いつか歌詞がドバーッとあふれ出てくる

「きっかけ」をさがして、

あちこち、ふらふらしているけれど、

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そういえば、自分の存在や行動が、

なにかのきっかけになる、ということを、

かんがえたことがなかったな。

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「ロシア人、いる?」

日本領ではないらしい、近くの島に、小屋がある。

小屋からひとが出てこないかな、と

望遠鏡で、じっとみつめている。

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望遠鏡で、島にロシア人がいるのを見ることが、

なぜ、こんなにも待ち遠しくおもえるのだろう。

ロシア人なんて、根室のまちに、ふつうにいるのに。

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「国境」というのは、なかなか、奥が深い。

私たちは、望遠鏡を、じっとみつめる。

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(のぶ)

2016年10月 6日 (木)

サッサン、根室駅で、おじいちゃんと再会する

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JR根室駅。

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サッポロからの深夜バスで、8時間

あさ7時。根室駅前バスターミナルに着いた私は、

あ。きた。

なつかしい白い軽トラックが

駅ロータリーに、きびきび進入してくるのをみている。

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「おう!おにいちゃん。よく来たね、」

電話では、「去年より、足が弱ってきた。」なんて弱気なことを言ってたけど、

運転席のおじいちゃん(マサさん 83)は、

みたかんじ、去年とあまり変わりなく、元気そう。よかった。

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根室にやってきました。

去年9月、根室のかに祭りで知り合った「漁師の親方」や、

港で知り合い、根室半島をドライブしてくれた「マサさん」が

「また、来年も来いや。 な?」と何度もいってくれたので、

2016年のうちに、根室は、ゼッタイ行っとこう、とおもっていた。

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世話になった、ふたりのおじいちゃん(親方とマサさん)に、はがきを出して、

私が根室に行くことを伝えておいた。

で、マサさんがまず、私を朝の根室駅まで迎えにきてくれることになったのだった。

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「これから港に行って、けさ揚がった魚をみてこよう、

そのあと、うちで朝飯な、

で、かあちゃんが朝の仕事から帰ってきたら、3人でノサップ岬行って、

そのあとは花咲港にいって、昼ごはん食べて~」

と、マサさんは、きょうのスケジュールをきっちり組み立ててきていて、かわいい。

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私は、おじいちゃんたちに再会するために、と根室までやってきたが

実際、会って、それから根室でどうしよっかな?とちょっと心配だった。

それも余計な心配だったみたいだ。

おまけに、今晩、私は、マサさん宅に泊まることになっているらしい。

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「せっかく、駅前にきたから、うちのお墓、ちょっと掃除してくね、」

マサさんはそういって、駅ロータリーから、軽トラをきびきび乗り回し、

根室のまちを走る。

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駅からすぐの、高台に建つお寺に着く。

マサさんの家のお墓は、

お寺の住職家のお墓のとなりの、立派なお墓だ。

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「すっげえお墓だな~!」

お墓にちょっと関心のある私が盛り上がっているとなりで、

マサさんはせっせと、お墓の掃除をしている。

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マサさんは、墓標のまえで、

ここに入っている自分の兄弟や親のことを話し始める。

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数年前に亡くなった長兄のこと

漁師だった次兄は24歳の若さで海難事故で亡くなった

マサさんが2歳のとき、若くして亡くなってしまったおかあさん

親父さんが、花札で大負けしたときに、

マサさんが、あさ、借金取りに何十万も払った、とかなんとか。

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北海道の東端、オホーツク海に面した港まち、

根室の戦前、戦後、昭和のくらし、リアルが、ふっと、たちのぼる。

夜通しの博打が、「花札」ってのが、なんとも、いい。

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「おれも、もうじき、ここだ、」

とマサさんは言う。

そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない。

「う、ううん。」と私は返事だか、なんだかわからない声を出す。

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あ。そうだ。

だまって手を合わせて、

今晩、お宅にお世話になることになりました、よろしくおねがいします。

ご先祖様にごあいさつする。

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(のぶ)

2016年10月 5日 (水)

サッサン、サッポロのラーメン屋をはしごする

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サッポロの味噌ラーメン。ものすごくうまい。

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札幌駅から3キロ歩いて、しょうゆラーメンを食べた私は、

そこからさらに3キロ歩いて、味噌ラーメンを食べに行く。

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去年、サッポロにきたときに、宿のひとから教わった

あまりにも美味くて、こころから感動した味噌ラーメンだ。

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深夜バスターミナルに行く時間まで、あと2時間

サッポロの街、歩く歩く。ラーメンミッション。いそがしい。

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^--

カウンター、二人分の狭い席に案内される。

先に座った私が右サイド。

あとの男性客が左サイド。

^--

私は左利き。

狭いカウンター席で、

箸を持つ私の左腕が、となりのひとの右腕と、

ガチャガチャ当たって迷惑かなあ、とおもい、

席を替わりませんか、と提案しようとおもうも、

^--

われながら、ヘンな提案だとおもう。

できるだけ言葉数を少なく、的確に私の意図を伝えるには、

なんて言ったらいいのかなあ、とかんがえているうちに

ラーメンが運ばれてくる。

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しょうがない、そのまま食べ始めたら、

となりの男性客も、食べ始めたら、

左利きで、

なんかウケる。

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「なんか、おれたち、狭いカウンターで

ふたりして左利きって、ばかみたいですよね、」

って話しかけたかったけど、

伝わらなかったらめんどくさいから、黙っている。

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左利きの連続は、なんか、恥ずかしい。

ほんとは、

そのことを共有し、恥ずかしさを、まぎらわせたい。

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(のぶ)

2016年10月 4日 (火)

サッサン、余市、銭湯でおやじさんにやさしくされる

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余市の銭湯。かっこいい!

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^--

余市駅から余市川の橋を越えて行くと、

宇宙飛行士の毛利衛さんの生家という、

天然温泉の銭湯もある。のですが、

^--

ニッカウヰスキー余市蒸留所には、たぶん

私はもういちど、来るような気がする。

^--

私が次に余市に来たときに、

もう無くなってしまっているかもしれないのは、

駅前のシブい銭湯のほうだろう。今回はこっちに行こう。

「いつまでも、あるとおもうな、まちの銭湯。」

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「熊本城、再建する必要ある?」

なんてこと、熊本市民に言っちゃうサッサンではあるが、

まちの古い銭湯がなくなることは、すごくかなしい。

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^--

鍵つきロッカーなどない、

藤編みのかごに、じぶんの衣服を入れるだけ。

脱衣所の、セキュリティーの脆弱さに、しびれる。

にんげんを全信頼している。ゆめみたいな空間のなか、

申し訳ない気持ちで、番頭のおやじさんに、サッサン旅の全財産を預ける。

^--

男湯の客は、私ひとり。

やっほー!小躍りして入ろうとすると、おやじさんが、

「タオル持って、入って。」と、ひかえめに、私を諭す。

旅人の、銭湯のマナーも知らないやつだとおもわれた気がして、ちょっとくやしい。

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出た! まんなかに浴槽。わお!

私は銭湯シロウトじゃないから、シャワーなんて使わない。

「ケロヨン」の黄色い桶をつかって、だいたいのことをこなす。

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で。さっそく、銭湯玄人っぽく、カランのお湯を出すと

ぎゃー!

私も地味にいろんな銭湯をまわってきたが、

過去最高の熱湯。90度くらいはあるんじゃないか?

熱すぎる。信じられない。ちょっと、やけどしたかも。

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と、アウェイ感たっぷりの銭湯でひとり、

ぎゃー!ぐあっちー!とか言って、あそんでいると

刺青をいれた中年男性がはいってくる。

サッサン、急に黙り込む。も。

サイタマ。東京。神奈川。九州。そして北海道。

その地域の刺青を鑑賞できることも、銭湯のいいところだ。

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風呂上り

「どっから、来なすった?」と番台のおやじさんが訊いてくる。

話しているうちに、

余市から、もうちょっと日本海側を西へ行った、

積丹(しゃこたん)半島の、なんとか岬は、

わたしが知っているなかで、いちばんうつくしい岬ですよ、とおやじさんは断言する。

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おやじさんがいままで、日本、そして世界の

どのような岬めぐりをしてきて、その結果、

積丹半島のなんとか岬が第一位になったのか、

まあ、そこは訊かない。

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根拠とか理由とか比較なんて、どうだっていい。

とにかく、おやじさんの断言する、力強さに、惹かれる。

そういうのが、いい。 見習いたいね。

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「ぜひ、積丹半島のなんとか岬に行ってきたほうがいい、」

とおやじさんはアドバイスしてくれるも、

私は今夜、サッポロに戻らなければいけないから、

「また余市にきたら、こんどは積丹半島にも寄ってみます。」

と、割と本気で応える。

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「よい旅をしてなっしゃい、」

銭湯を出るとき、おやじさんからそんなようなことを言われて、ほわっとする。

旅の御守りのように、

おやじさんのことばが私の身体にくっついた気がする。

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てか。

積丹半島の、なに岬だったんだっけ?

どうしても、おもいだせない。

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(のぶ)

2016年10月 3日 (月)

サッサン、余市、ニッカウヰスキーでマッサンの理想に出会う

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(旧)ウヰスキー研究所。北海道は紅葉です。

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NHKあさの連ドラ『マッサン』を、

私が熱心に観ていたのは、

ウイスキー造り(ものづくり)をめぐる、

理想と現実とのせめぎあいが、おもしろかったからです。

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しかし、ニッカウヰスキー創業者の竹鶴政孝(マッサン)は、

どのへんで、現実(日本人の好み)を受け入れ、

どのへんで、おのれの理想(本場スコットランドの味、スモーキーフレーバー)を貫いたのか

けっきょく、よくわからないままドラマは終わってしまった。

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新千歳空港から鉄道で、

札幌を通り過ぎ、

日本海側のまち、余市(よいち)をめざします。

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小樽から、JR函館本線に乗り継ぐ

北海道の山々は紅葉がはじまっている。

小樽から余市まで、ゴトンゴトン、おもってたよりながい。

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ウイスキー造りの理想の土地をもとめて、

マッサンは、よくもまあ、こんな深い山々を越えて、

余市にたどりついたのだなあ、とおもう。それは

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五島列島で、かくれキリシタンが、幕府の役人から逃れて、

よくもまあ、こんな山の奥へと行ったなあと、おもったことと

私のなかでは、どこか通じるものがある。

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理想とか宿命とか運命、使命

自分のやるべきこと、やらなければいけないことに従って生きること。

気合いがちがうよ、とおもう。

やっぱり、まずは、気合いだよ、サッサン。

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余市蒸留所の工場見学をしていると

有料の試飲バーカウンターがあって、

ここでしか飲めない貴重なウイスキーが一杯350円ほどで飲める。

『余市』のいろんな樽をブレンドした高級ウイスキーが、格安で何種類も味わえる。

全種類飲む!ゆめみたいだ。TDL超えた!

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私は久しぶりに飲んだ、ニッカウヰスキー『余市』は、

やっぱり、どこかクセのあるウイスキーだった。

これが好きか?と訊かれたら、即答で「うん。」とは言いにくい

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私はどうも、サントリー『山崎』でかんじる、

全体的なバランスの良さが好きなような気がするが、

そんな自分は、なんか、つまらないやつだ、ともおもう。

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ニッカウヰスキー『余市』には、とがった個性がある。

いろんな樽のブレンドによって、甘さやまろやかさも味わえるが、

やっぱり、どこか潮の味がして、煙くさい。

最後に残る印象は、「頑固な無骨さ」だったりする。

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けっきょく、マッサンは、

自分の理想を守り通したんだな、とおもった。

日本人の味覚・好み、「現実」に寄り添うより、

自分の理想とする味を、頑固にめざしていった。

その理想に、日本の風土・自然が作用し、

本場スコットランドにもない、オリジナルな、『余市』の味になっていく。

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ニッカウヰスキー『余市』が好きになりたい。

マッサンが理想を貫いた、かっこいいウイスキー。

私のあこがれ。デルタブルース。ボブ・ディラン。

自然はカンタンに人間の思い通りにはならない。

潮辛い味や煙くさい味に、私のほうがうまみをかんじるときを

自然のほうが待っている。

「好きになりたければ、どうぞいらっしゃい、」

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ウイスキーをたくさん飲めば、水が飲みたくなる。

で。水(チェイサー)を、バーテンダーの老紳士に何杯ももらいながら、

水がおいしい。

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「余市川からの引き水で、ウイスキー『余市』はつくられている、」

と、バーテンダーの老紳士から聞き、

「敷地内に湧き水はないでしょうか?」ときくと、

「じゃあ、この水を汲んであげる、」と

私がもっていたペットボトルに、チェイサー用の余市の水をくんでくれた。

(注;普段はそんなサービスはたぶんありません)

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きゃー! 『余市』の仕込み水、ゲット!

熊本、屋久島と、

最近、湧き水の採集に燃える、私がいかによろこんだかは、言うまでもない。

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余市の水は、やわらかくはない、

どちらかというと硬いかんじ、の

水です。

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(のぶ)

2016年10月 2日 (日)

サッサン、JR北海道の車内アナウンスがすき

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南千歳駅から、自衛隊戦闘機を眺める。

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新千歳空港から、

JR北海道の「快速エアポート」に乗って、

サッポロ方面へ向かいます。

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「まもなく、この電車は、千歳に到着します。

この電車の終着は、小樽です。」

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北海道では

「終点(しゅうてん)」とは言わず、

「終着(しゅうちゃく)」という。

終着って、響きが大人っぽい。

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てか、このJR北海道の車内アナウンス、男性の声(録音テープ)そのものが、

なんとも、ゆったりと落ち着いていて、大人っぽい。

いや、むしろ、過剰に落ち着きすぎていて、気になる。

この落ち着きは、安心や癒しだけじゃなく、

ヒヤリとした冷酷さすら感じる。

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「まもなく、この電車は、サッポロに到着します。

この電車の終着は、小樽です。

なお、ご乗車のサッサンは、

いいかげん、しっかりしてください。」

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そんなことは言うわけないけど、

なんか言外に、そんな声が聞こえる気がする。

このアナウンス声でどんな冷酷なことを言われたら、いちばんおもしろいか、

ずっとかんがえている。

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JR北海道に乗る機会があったら、

ぜひ車内アナウンスの男性の声(録音テープ)に注意してみてください。

このアナウンス声に、自分がどんな冷酷なことを言われたら、いちばんこたえるか、かんがえているのは

なかなかおもしろいです。

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(のぶ)

2016年10月 1日 (土)

サッサン、北海道へ行く

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ライジングさん。ナリタ。

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北海道に行ってきます。

なにをしに?

あれをしに。(注:ボランティアじゃないよ)

しばらく北海道のはなしがつづきます。

おたのしみに。

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(のぶ)

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